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とても怖い


写真商品名
斉藤さん 1 (1) (オフィスユーコミックス)
社会のルールを守らない人はただちに斉藤さんに敵と見なされ、条件反射的にやっつけられる「スポーツ」のような勧善懲悪もの。悪いことを見逃す者にも暴力をもって制裁がくだるので、幼稚園隣の高校の校長は朝礼台で蹴倒される。

斉藤さんのレパートリーには、ユーモアや笑いなどいっさいなく、ただひたすら大声をあげ、短絡的に暴力を振るうのみ。その余裕のなさ、心の狭さが今の世相を反映するようで、わたしは、この漫画がとても怖かった。たぶん、作者が自分でもどうしてかわからないまま、社会に怒り、自分の理想と現実のギャップに苛立っているからだろう。

では、なぜ、斉藤さんや作者はそんなに怒っているのか? 子育てのハードルを上げすぎたからだ。4巻で子育てを「一大プロジェクト」と呼ぶように、子どもを社会の悪から守り、丁寧に育てないと、と負担を背負い込み、余裕を無くしているからだ。それで社会の悪がとても怖くなり、おびえているから、過剰に反応するとは考えられないだろうか。

斉藤さんのだんなが海外赴任中という設定が暗示するように、わたしたちの社会は女性を孤立させ、子どもと二人きりにさせ、羅針盤を失ってひたすら社会に同調させるか(=真野さん)、それとも逆襲に出させるか(=斉藤さん)しかできないようだ。そんな問題点をはらんでいるのに、作者が全く気づかず、せっせと勧善懲悪しているところが二重の意味でとても怖い。
引用元:とても怖い

女教師千紗が斬る!

  
 タイトル「文章読本さん江 ごめんあそはせ」と帯の第一回小林秀雄賞受賞を見た時から興味はあった。だが、単行本ではかさ張るし値も張るので、文庫本になるまで待とうと思っていた。ところが古書店で発見、衝動買いをしてしまった。斉藤美奈子の本は始めて読んだ。

 本書では文章読本界の御三家は、谷崎潤一郎、三島由紀夫、清水幾太郎、新御三家は、本多勝一、丸谷才一、井上ひさしだそうだ。考えてみると、御三家は全て読んだし新御三家も丸谷を読んだが、それで文章がうまくなるとかうまくなったはずはあり得ない。

 本書はもちろんそのあたりのことは先刻ご承知で、合計御六家それぞれを分類して分析・解剖していく。この分析・解剖の過程が克明に描写されるが、これが面白い。思うに斉藤美恵子はベストセラー作家の素質がある。新作が次から次に発表されているが、それらがはやく文庫本にならないかな。

 なお、私の経験から仕事上のレポートなどの作成に関しては木下 是雄 (著)理科系の作文技術(中公新書)を薦めたい。
引用元:

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