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かなり売れたそうだが何万人という読者は、著者がどういう経営者なのかイメージを持って読んだのだろうか?理解できないのは、少なくとも著者が代表を務めるSBIとその投資方針に何かの哲学を感じることはない(ゼファーは見事に破綻した)。また著者のキャリアを見ても、金融市場で学んだ調達とM&Aの手腕をネットバブル期に見事に発揮してきた成功者であるということ以上の「道」を感じない。そういう意味で孫氏と組んでいた時代から、根っからの相場師なのだろう。
金と権力を追求するものが安岡正篤や漢籍を読むという光景は、戦後の政財界で随所に見られたわけで、その伝統に著者は忠実なだけだ。血生臭い世界で成功を収める人が、過剰なまでに倫理観を表明することは、責められることではない。笹川良一の人類皆兄弟であり、どんな人もバランスを取りながら生きている。
だから不思議なのは本書の存在ではなく、それがかなり売れたという事実である。成功している投資会社のトップであるからバフェットのように投資哲学こそ開陳してほしいものだが、実際は「何のために働くのか」を語り、多くの人がそれを受け止めたという事実にこそ、注意が向けられるべきである。
中国古典を学んで気付いた著者の天命(世のため人のための自分の使命)は、ネットによって顧客中心のサービスを提供することと、働く仲間の経済的厚生を高めて、自らの資産で恵まれない子供たちのための社会貢献活動を行うことらしい。それ自体はすばらしい。ただ近所のとんかつ屋のオヤジが「おいしいとんかつをを客に提供すること、それでもうけた金の一部を地元の商店街に寄付すること」と言っているのとどこが違うのだろう。
<ネットバブルの中心にいたが金融事業に上手くシフトした元証券マンが「何のために働くのか」についての本を出したところ十万部を超えた>、という不思議な時代があったのだといずれ回顧されるならば、本書の存在は時代精神の貴重な記録である。
引用元:内容より売れたという事実が興味深い一冊
内容より売れたという事実が興味深い一冊
| 写真 | 商品名 |
![]() | 何のために働くのか |
金と権力を追求するものが安岡正篤や漢籍を読むという光景は、戦後の政財界で随所に見られたわけで、その伝統に著者は忠実なだけだ。血生臭い世界で成功を収める人が、過剰なまでに倫理観を表明することは、責められることではない。笹川良一の人類皆兄弟であり、どんな人もバランスを取りながら生きている。
だから不思議なのは本書の存在ではなく、それがかなり売れたという事実である。成功している投資会社のトップであるからバフェットのように投資哲学こそ開陳してほしいものだが、実際は「何のために働くのか」を語り、多くの人がそれを受け止めたという事実にこそ、注意が向けられるべきである。
中国古典を学んで気付いた著者の天命(世のため人のための自分の使命)は、ネットによって顧客中心のサービスを提供することと、働く仲間の経済的厚生を高めて、自らの資産で恵まれない子供たちのための社会貢献活動を行うことらしい。それ自体はすばらしい。ただ近所のとんかつ屋のオヤジが「おいしいとんかつをを客に提供すること、それでもうけた金の一部を地元の商店街に寄付すること」と言っているのとどこが違うのだろう。
<ネットバブルの中心にいたが金融事業に上手くシフトした元証券マンが「何のために働くのか」についての本を出したところ十万部を超えた>、という不思議な時代があったのだといずれ回顧されるならば、本書の存在は時代精神の貴重な記録である。
引用元:内容より売れたという事実が興味深い一冊
